心理学

上司はなぜ弱い立場の人間にあたるのか?防衛機制から弱者に怒りが向けられる仕組みを考察

あなたは上司に理不尽な怒られ方をされたことはありませんか?

上司が他の上司から怒られて帰ってきてからすごく機嫌が悪そう。

自分の責任の範囲を超えているのに原因を自分のせいにされた。

なんか怒られたけどなんのことで怒られているのかりかいできなかった。

とりあえず怒られた多分八つ当たり

このように納得いかない理由で部下を怒る上司は意外と多いのかもしれません。

中には自分自身に非があり業務上適切な範囲内のことであればしょうがないのですが、

明らかに違和感がある怒り方をするのはなぜでしょう。

フロイトが提唱しその弟子たちが研究してきた防衛機制という考えからこの八つ当たりの仕組みを考えてきましょう。

心を守るための防衛機制(ディフェンスメカニズム)とは?

 

防衛機制(ディフェンスメカニズム)とは、

防衛機制(ぼうえいきせい、英: defence mechanism)とは、受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。

引用:ウィキペディア

もう少し簡単に言うすれば、心を守るために発動する防衛機能のようなものですね。

これは無意識的(自分で気が付けない意識の深い部分)に働くことが多く本人は気づかないパターンが多いようです。

道徳や倫理的におかしかったり、自己評価の低下、自尊心や感情を傷つけられるような状況が発生したときに

精神的に傷つくことへの恐怖を感じそこから不安な感情が発生します。無意識はその恐怖、不安を解消し心のバランスを取ろうと働きます。

その心のバランスをとるために言動や態度、行動に現れますが無意識の働きがゆえに本人は気づかないことが多いようです。

気づかないこということも無意識の働きなのかもしれません。

防衛機制の役割

このことから防衛機制は、次の役割があると言えます。

1.不安を緩和して解消する

2.自己評価、自尊心の低下を防ぐという

精神科医フロイトが提唱した防衛機制

この防衛機制は、

オーストリアの精神科医ジークムント・フロイトのヒステリー研究から考えられました。

この防衛機制というものは当初フロイトは「抑圧」というものから提唱しましたが、

その後のフロイトの娘であるアンナ・フロイトやフロイトの弟子によって研究されました。

その結果、防衛機制は何種類も提唱されました。

逃避、合理化、など

実際にはこの何種類もある防衛機制が組み合わさって働いていることが多く特定の一つに絞って考えることはできません。

今回は数ある防衛機制の中から抑圧と置き換えを用いて上司などの強い立場の人間が

なぜ、部下などの弱い立場の人間に

正当ではない不当な理由で

危害を与えるのかを考えていきます。

なぜ抑圧されるのか

本心が表現できない状態で抑圧というのが起こります。

フロイトが提唱した精神分析で

彼は、自我という心にエスと超自我があると考えました。

エスとは生物的な本能を基盤とするもので、

性欲、食欲、攻撃欲など純粋な欲求です。

超自我とは社会的文化的な基盤を持ったものです。

道徳心・倫理観などです。

このエスと超自我を自我が調節することにより我々人間は社会に適応することができます。

自我はエスと超自我を調整しなければいけないので時には強い葛藤状態にもなります。

社会で生きていく中でエスの衝動が強すぎると、他人に危害を与えてしまいリベンジとして

他者から同等それ以上の報復を受けてしまいます。

幼少期にエスが強く働きそれが親などの強い立場に禁止や罰則などを記憶し、

同時に道徳などの社会的な正しさを教えられ超自我が発達してきた記憶が無意識化に蓄積されていきます。

今の社会ではエスをうまく調整することができなければ社会に適応することができず、エスの衝動が強い人は

どんどん衝動が抑圧されていきます。

 

反抗できない感情が抑圧される

危害を加えてしまう人間はもしかしたら被害者であるかもしれません。

我々は仕事や家庭、地域など社会人として様々な役割や義務が生じます。

要所要所で義務が発生し、それを果たすには自分の嫌なことも行わなければいけないでしょう。

時には我慢したり相手に譲ったりするなどし、エスを中心とした強い衝動を抑え込んで生きています。

エスの衝動がどんどん抑圧といった形で無意識下に抑え込まれていくのです。

無意識がゆえに本人は気が付けません。

八つ当たりするような上司も一人の人間です。

家庭や会社でのそれぞれに立場において

立場があるが故に逆らえず、

直接表に表すことのできない感情が無意識下に抑圧され、どんどん蓄積していくのです。

 

抑圧した感情は消えない?

抑圧というのは心を守るために行われますが、

無意識下にしまい込んでいるだけでなくなってはいません。

普段は自我、超自我の働きによって抑え込まれていますが自我の働きにも限界があり、

抑圧が強くなればなるほど葛藤状態が強くなり自我が不安定になります。

そのような不安定な状態を解消すべく自我は他の防衛機制を発動し安定化を図ろうとします。

防衛機制には行為としては未熟なものもあり、行動化などはそれにあたります。

自傷行為や過食、拒食、暴力、アルコール依存などに転じるものもあります。

部下などの弱い立場にあたる上司は、置き換えが当てはまります。

場合によっては行動化も同時に起きているかもしれません。

八つ当たりのバトンタッチ「置き換え」とは?

置き換えとは、

自分自身の中に受け入れられない感情、欲求を本当の原因がある場所ではなく別の場所に原因を求めることです。

例えばあなたが一般の社員だとして、あなたの上司にあたる係長が課長に指導を受けた場合

係長が立場上、課長に言い返せなかったことや、厳しく言われたことで自尊心が傷ついたた感情を抑圧し、

その抑圧した感情を弱い立場で抵抗できない一般社員のあなたを怒ったりすることです。

課長に向けられない攻撃衝動をあなたに向けることで抑圧していた感情を開放することができます。

また、問題の原因を部下などの逆らえない弱い立場の人間することで自分の責任をごまかし、自尊心を保とうとするのです。

 

上下の秩序がはっきりとしているトップダウンの組織では、

上位にあるもの影響力が大きく上位者の指令が一種の食物連鎖のように一つ一つ順番に上から下に流れてきますが。

置き換えはそのような上下関係の厳しい組織などにも起こりやすいです。

正当性のあるものであれば適切に対処すればいいのですが、理不尽な命令や要求などが上から順に伝達されれば

理不尽のバトンがどんどん低い方へ渡り、

最終的に一番下位にある一般社員や新人クラスの責任と見なされ、低い方の人間の権限ではどうすることができずただ責められるしかない状態が起きてしまいます。

組織全体の体制、雰囲気も悪化してしまいます。

 

置き換えはパワハラやモラハラに発展するかもしれない。

まず置き換えの対象にあっているかいないのかをよく分析し判断する必要があります。

過度に意識しすぎて何でも置き換えと判断するのは、また別の問題となってきます(自分の問題)。

自分に非があるのであれば不快ではあると思いますが、冷静に受け入れ改善していきましょう。

その一方で置き換えの内容が不適切な場合ならば、然るべき対応をとるべき必要があります。

置き換えは弱者に向けられるものであるので場合によってはパワハラやモラハラに発展したりするかもしれません。

特に上下関係の厳しい組織ではパワハラが指導の形をとって行われることが多くあります。

これまで弱い立場に向けてこれまで抑圧されてきたエス本来の野性的な攻撃衝動が暴力という形となって現れるかもしれません。

まとめ

パワハラなどの労働問題に発展する行為は、行動化という防衛機制が働いている可能性が高いです。

行動化は感情を抑え込むことができず暴力や暴言などの行動として表れてしまいます。

過度の飲酒や浪費、拒食、過食など

反社会的なものが多いです。

このように暴力や暴言など顕著に表れるのであれば、何らかの対応を模索していかなければなりません。

 

 

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